凡例・底本等
凡例
- 底本の誤字については、原則として文字を訂正して訓読を行なった。また、脱字や虫食いがある部分については、他の古記録や儀式書などによって、できる限り推定した。
- 脱字や虫食いがある部分で、文字を推定できない箇所については、文字数分を□で表示した。
- 裏書については、表の記載に続けて表記し、段落替えを行なった。
- 原則として、常用漢字表にある漢字は常用漢字体に改めた。
- 本文の註や割書は、< >の中に入れて区別した。
- 『宇多天皇御記』については、内容から見て『宇多天皇御記』と推定するには躊躇せざるを得ないものもあった。それらについては、日付を( )に入れて示した。
- 逸文採録の経過については、古藤真平氏のご指導による。
底本
底本として、以下のものを用いた。
- 『八条式部卿私記』
大日本古記録『九暦』(東京大学史料編纂所編、岩波書店、初刷1958年、主に第二刷1984年を利用した)
『西宮記』(新訂増補故実叢書、明治図書出版、1952年) - 『宇多天皇御記』
『三代御記逸文集成』(所功編、国書刊行会、1982年) - 『醍醐天皇御記』
『三代御記逸文集成』(所功編、国書刊行会、1982年) - 『貞信公記』
大日本古記録(東京大学史料編纂所編、岩波書店、初刷1956年、主に第二刷1984年を利用した) - 『清慎公記』
『西宮記』(新訂増補故実叢書、明治図書出版、1952年)
『西宮記』(史籍集覧、近藤出版部、1903年)
『北山抄』(新訂増補故実叢書、明治図書出版、1955年) - 『吏部王記』
史料纂集(続群書類従完成会、1974年) - 『御産部類記』
『御産部類記 上』(宮内庁書陵部編、圖書寮叢刊、明治書院、1981年) - 『太后御記』
『紫明抄 河海抄』(玉上琢彌編、角川書店、1968年) - 『九暦』
大日本古記録(東京大学史料編纂所編、岩波書店、初刷1958年、主に第二刷1984年を利用した)
橋本義彦「資料紹介 九条殿記」(『書陵部紀要』第21号、1969年)
平林盛得「資料紹介 九条殿記」(『書陵部紀要』第29号、1977年) - 『小一条左大臣記』
『西宮記』(新訂増補故実叢書、明治図書出版、1952年) - 『村上天皇御記』
『三代御記逸文集成』(所功編、国書刊行会、1982年) - 『沙門仲増記』
『歴代残闕日記』(黒川春村編、「歴代殘闕日記」刊行会編纂、臨川書店、主に1989-1990版を使用した) - 『元方卿記』
『西宮記』(新訂増補故実叢書、明治図書出版、1952年) - 『延光記』
『西宮記』(新訂増補故実叢書、明治図書出版、1952年) - 『忠義公記』
『続々群書類従』(国書刊行会、1906年) - 『親信卿記』
『歴代残闕日記』(黒川春村編、「歴代殘闕日記」刊行会編纂、臨川書店、主に1989-1990版を使用した)
陽明叢書『平記・大府記・永昌記・愚昧記』(陽明文庫編、思文閣出版、1988年) - 『済時記』
飯倉晴武「資料紹介 済時記」(『書陵部紀要』第23号、1971年) - 『藤原宣孝記』
『西宮記』(新訂増補故実叢書、明治図書出版、1952年) - 『小記目録』
大日本古記録(東京大学史料編纂所編、岩波書店、初刷1959~1986年、主に第四刷2001年を利用した) - 『小右記』
大日本古記録(東京大学史料編纂所編、岩波書店、初刷1959~1986年、主に第四刷2001年を利用した) - 『法住寺相国記』
『西宮記』(新訂増補故実叢書、明治図書出版、1952年) - 『権記』
史料纂集(渡辺直彦・厚谷和雄校訂、続群書類従完成会・八木書店、初刷1978~1996年、第一については主に第二刷1988年、第二については主に第二刷1997年を利用した)
増補史料大成(増補「史料大成」刊行会編、臨川書店、初刷1965年、主に第三刷1981年を利用した)
寛弘八年については増補史料大成を底本としたが、伏見宮本『行成卿記』の原本調査を行なって校訂した
逸文については、主に『大日本史料 第二篇』(東京大学史料編纂所編、東京大学出版会、1928年~)を基にしたが、可能な限り原本調査を行なった(出典はそれぞれ明示してある) - 『信経記』
『大日本史料 第二篇之二.三』(東京大学史料編纂所編、東京大学出版会、1930.31年) - 『宗河記』
『西宮記』(新訂増補故実叢書、明治図書出版、1952年) - 『御堂関白記』
大日本古記録(東京大学史料編纂所・陽明文庫編、岩波書店、初刷1952~1954年、主に第四刷1991年を利用した) - 『御堂御記抄』
大日本古記録(東京大学史料編纂所・陽明文庫編、岩波書店、初刷1952~1954年、主に第四刷1991年を利用した) - 『一条天皇御記』
増補史料大成(増補「史料大成」刊行会編、臨川書店、初刷1965年、主に第二刷1975年を利用した) - 『左経記』
増補史料大成(増補「史料大成」刊行会編、臨川書店、初刷1965年、主に第三刷1981年を利用した)
逸文については、可能な限り原本調査を行なった(出典はそれぞれ明示してある) - 『春記』
増補史料大成(増補「史料大成」刊行会編、臨川書店、初刷1965年、主に第三刷1981年を利用した)
年によっては、他の写本を底本とした(出典はそれぞれ明示してある)
逸文については、可能な限り原本調査を行なった(出典はそれぞれ明示してある) - 『土右記』
続史料大成(続史料大成刊行会編、臨川書店、1967年)
平林聖得「史料紹介 土右記 延久元年夏」(『書陵部紀要』第12号、1960年) - 『二東記』
『歴代残闕日記』(黒川春村編、「歴代殘闕日記」刊行会編纂、臨川書店、主に1989-1990版を使用した) - 『宗金記』
『西宮記』(新訂増補故実叢書、明治図書出版、1952年) - 『後朱雀天皇御記』
増補史料大成(増補「史料大成」刊行会編、臨川書店、初刷1965年、主に第二刷1975年を利用した) - 『宇治関白高野山御参詣記』
続々群書類従(国書刊行会、1906年) - 『定家朝臣記』
『歴代残闕日記』(黒川春村編、「歴代殘闕日記」刊行会編纂、臨川書店、主に1989-1990版を使用した)
陽明叢書『平記・大府記・永昌記・愚昧記』(陽明文庫編、思文閣出版、1988年) - 『経任記』
『西宮記』(新訂増補故実叢書、明治図書出版、1952年)
陽明叢書『平記・大府記・永昌記・愚昧記』(陽明文庫編、思文閣出版、1988年) - 『資仲記』
群書類従(塙保己一編、続群書類従完成会、1908年)
続群書類従(塙保己一編、続群書類従完成会、1969年) - 『師実公記』
増補史料大成(増補「史料大成」刊行会編、臨川書店、初刷1965年、主に第二刷1975年を利用した) - 『後三条天皇御記』
『歴代残闕日記』(黒川春村編、「歴代殘闕日記」刊行会編纂、臨川書店、主に1989-1990版を使用した) - 『寛治二年記』
『歴代残闕日記』(黒川春村編、「歴代殘闕日記」刊行会編纂、臨川書店、主に1989-1990版を使用した) - 『季仲卿記』
『歴代残闕日記』(黒川春村編、「歴代殘闕日記」刊行会編纂、臨川書店、主に1989-1990版を使用した) - 『高階仲章記』
『歴代残闕日記』(黒川春村編、「歴代殘闕日記」刊行会編纂、臨川書店、主に1989-1990版を使用した) - 『清原重憲記』
『歴代残闕日記』(黒川春村編、「歴代殘闕日記」刊行会編纂、臨川書店、主に1989-1990版を使用した)
参照資料
以下の書を参照した。
- 『宇多天皇御記』
『歴代残闕日記』(中津廣昵の採録になる。(黒川春村編、「歴代殘闕日記」刊行会編纂、臨川書店、主に1989-1990版を使用した)
『続々群書類従』(国書刊行会、1906年)
『國書逸文研究』(國書逸文研究会、1978-1997年)
『國書・逸文の研究』(所功先生還暦記念会編、臨川書店、2001年)
川尻秋生「日本古代における「議」」(『史学雑誌』110-3、2001年)
西本昌弘「九条家本『神今食次第』所引の「西記」と「二代御記」」(『日本古代の年中行事書と新史料』吉川弘文館、2012年)
鹿内浩胤「田中教忠旧蔵『寛平二年三月記』について」(『日本古代典籍史料の研究』思文閣出版、2011年、初出2003年)
古瀬奈津子「藤原行成『権記』と『新撰年中行事』―引用された式と日記を手がかりに―」(倉本一宏編『日記・古記録の世界』思文閣出版、2015年)
佐藤全敏「宇多天皇の文体」(倉本一宏編『日記・古記録の世界』思文閣出版、2015年)
堀井佳代子『平安宮廷の日記の利用法』(臨川書店、2017年)
古藤真平『宇多天皇の日記を読む 天皇自身が記した皇位継承と政争』(臨川書店、2018年) - 『醍醐天皇御記』
『歴代残闕日記』中津廣昵の採録になる。(黒川春村編、「歴代殘闕日記」刊行会編纂、臨川書店、主に1989-1990版を使用した)
『続々群書類従』(国書刊行会、1906年)
『國書逸文研究』(國書逸文研究会、1978-1997年)
『國書・逸文の研究』(所功先生還暦記念会編、臨川書店、2001年)
川尻秋生「日本古代における「議」」(『史学雑誌』110-3、2001年)
西本昌弘「九条家本『神今食次第』所引の「西記」と「二代御記」」(『日本古代の年中行事書と新史料』吉川弘文館、2012年)
古瀬奈津子「藤原行成『権記』と『新撰年中行事』―引用された式と日記を手がかりに―」(倉本一宏編『日記・古記録の世界』思文閣出版、2015年)
堀井佳代子『平安宮廷の日記の利用法』(臨川書店、2017年) - 『清慎公記』
『大日本史料 第一篇之四.五.六.七.八.九.十.十一.十二.十三』(東京大学史料編纂所編、東京大学出版会、1926.27.28.31.33.35.37.42.63.64年)
早川庄八研究代表『儀式書を中心としてみた平安時代政治機構の総合的研究』(名古屋大学、1991年)
木本好信「藤原実頼の「清慎公記」逸文」『平安朝日記と記録の研究:その逸文史料』(みつわ、1980年)
桃裕行「『北山抄』と『清慎公記』」(『桃裕行著作集4 古記録の研究 上』(思文閣出版、1988年)
今出川家(菊亭家)本『西宮記』(国際日本文化研究センター「摂関期古記録データベース」) - 『吏部王記』
『大日本史料 第一篇之五~九』(東京大学史料編纂所編、東京大学出版会、1927-35年) - 『御産部類記』
『大日本史料 第一篇之一.二.五.七.八.十.十二』(東京大学史料編纂所編、東京大学出版会、1922.23.27.31.33.37.63年)
『大日本史料 第二篇之六.二十二』(東京大学史料編纂所編、東京大学出版会、1937.85年) - 『太后御記』
『西宮記』(新訂増補故実叢書、明治図書出版、1952年)
『御産部類記』(図書寮叢刊、宮内庁書陵部編、明治書院、1981年) - 『小一条左大臣記』
『大日本史料 第一篇之八.九.十.十一.十二』(東京大学史料編纂所編、東京大学出版会、1926.28.37.42.63年) - 『村上天皇御記』
『歴代残闕日記』中津廣昵の採録になる。(黒川春村編、「歴代殘闕日記」刊行会編纂、臨川書店、主に1989-1990版を使用した)
『続々群書類従』(国書刊行会、1906年)
『國書逸文研究』(國書逸文研究会、1978-1997年)
『國書・逸文の研究』(所功先生還暦記念会編、臨川書店、2001年)
神戸航介・杉田建斗「宮内庁書陵部所蔵九条家旧蔵本『諸道勘文 神鏡』第一巻の紹介と基礎的考察」(『東京大学日本史学研究室紀要』二三、2019年)
西本昌弘「九条家本『神今食次第』所引の「西記」と「二代御記」」(『日本古代の年中行事書と新史料』吉川弘文館、2012年) - 『沙門仲増記』
『大日本史料 第一篇之九』(東京大学史料編纂所編、東京大学出版会、1935年) - 『親信卿記』
佐藤宗諄先生退官記念論文集刊行会編『『親信卿記』の研究』(思文閣出版、2005年) - 『延光記』
『大日本史料 第一篇之四.六.十.十一.十三.十四.十五』(東京大学史料編纂所編、東京大学出版会、1926.28.37.42.64.65.67年) - 『小右記』
『尊経閣善本影印集成 小右記』(前田育徳会尊経閣文庫編、八木書店、2016年~)
『現代語訳小右記』(倉本一宏訳、吉川弘文館、2015年~)
『小右記註釈 長元四年』(黒板伸夫監修/三橋正編、八木書店、2008年) - 『法住寺相国記』
『大日本史料 第二篇之一』(東京大学史料編纂所編、東京大学出版会、1928年) - 『権記』
『藤原行成「権記」全現代語訳』(倉本一宏訳、講談社、2011~12年) - 『宗河記』
『大日本史料 第二篇之二.四.六』(東京大学史料編纂所編、東京大学出版会、1930.31.37年) - 『御堂関白記』
陽明叢書(陽明文庫編、思文閣出版、1983~1984年)
平松本『御堂関白記』写真(京都大学附属図書館蔵)
『御堂関白記全註釈』(山中裕編、国書刊行会・高科書店・思文閣出版、1985年~2010年)
『藤原道長「御堂関白記」全現代語訳』(倉本一宏訳、講談社、2009年) - 『御堂御記抄』
陽明叢書(陽明文庫編、思文閣出版、1983~1984年)
『藤原道長「御堂関白記」全現代語訳』(倉本一宏訳、講談社、2009年)
『藤原道長「御堂関白記」を読む』(倉本一宏、講談社、2013年) - 『一条天皇御記』
『一条天皇』(日本歴史学会編、倉本一宏著、吉川弘文館、2003年) - 『左経記』
『大日本史料 第二篇』(東京大学史料編纂所編、東京大学出版会、1928年~) - 『春記』
『訓読春記』(赤木志津子訓読、近藤出版社、1981年) - 『宇治殿御記』
大島幸雄「藤原頼通とその日記」(『史聚』29、1995年) - 『二東記』
大島幸雄「藤原教通と『二東記』」(大島幸雄『平安後期散逸日記の研究 』岩田書院、2016年)
大島幸雄・木本好信「『二条内府記』逸文」(『史聚』10、1979年) - 『宗金記』
『史料綜覧 二』(東京大学史料編纂所編、東京大学出版会、1925年) - 『宇治関白高野山御参詣記』
大村拓生「中世前期の高野参詣と宿所」(『密教文化』218、2007年) - 『後三条天皇御記』
増補史料大成(増補「史料大成」刊行会編、臨川書店、初刷1965年、主に第二刷1975年を利用した)
原本調査
以下の機関において原本調査を行なった。
- 『宇多天皇御記』:宮内庁書陵部・東京大学史料編纂所・国立公文書館・国文学研究資料館
- 『醍醐天皇御記』:宮内庁書陵部・東京大学史料編纂所・国立公文書館・国文学研究資料館
- 『沙門仲増記』:東京大学史料編纂所・国文学研究資料館
- 『親信卿記』:陽明文庫・東京大学史料編纂所・宮内庁書陵部・国立公文書館・国文学研究資料館
- 『小記目録』:宮内庁書陵部・東京大学史料編纂所・国立公文書館・国文学研究資料館
- 『小右記』:宮内庁書陵部・前田育徳会尊経閣文庫・東京大学史料編纂所・国立公文書館・国文学研究資料館・蓬左文庫
- 『権記』:宮内庁書陵部・前田育徳会尊経閣文庫・東京大学史料編纂所・国立歴史民俗博物館・蓬左文庫
- 『御堂関白記』:陽明文庫・東京大学史料編纂所・宮内庁書陵部・京都大学附属図書館
- 『左経記』:宮内庁書陵部・東京大学史料編纂所・国立公文書館・国文学研究資料館
- 『春記』:宮内庁書陵部・前田育徳会尊経閣文庫・東京大学史料編纂所・国立歴史民俗博物館・大谷大学博物館・杏雨書屋・国立公文書館
- 『宇治殿御記』:宮内庁書陵部・東京大学史料編纂所・国立公文書館
- 『二東記』:宮内庁書陵部・東京大学史料編纂所・国文学研究資料館
- 『宇治関白高野山御参詣記』京都府立京都学・歴彩館
- 『師実公記』:東京大学史料編纂所・国文学研究資料館
- 『寛治二年記』:東京大学史料編纂所・国文学研究資料館
- 『季仲卿記』:東京大学史料編纂所・国文学研究資料館
- 『高階仲章記』:東京大学史料編纂所・国文学研究資料館
- 『清原重憲記』:東京大学史料編纂所・国文学研究資料館
画像公開『西宮抄』について
『西宮抄』は、源高明により撰述された平安時代中期の儀式書『西宮記』の恒例行事正月~九月を抄出したものである。
奥書が無く書写された 時期は不明であるが、「今出川蔵書」印を持つ。
近世初期に書写され今出川家(菊亭家)に所蔵されていたものと思われる。
本書は四冊あり、第一冊には正月(四方拝~御斎会)、第二冊には二月・三月・四月・五月、第三冊には六月・七月・八月・九月、第四冊には正月 (除目~内宴)の内容を載せる。